人生には数えきれないほどの失敗がつきものです。しかし、家づくりに限っては、損失の大きさを考えると、できるだけ回避したいと願うのも当然でしょう。成功するためにも、あらかじめ失敗から学ぶ必要があります。今回の記事では、具体的な失敗例とともに後悔しないためのポイントまで解説します。今後の参考にしてください。
家づくりでありがちな失敗例
家づくりでありがちな失敗は、ジャンルによってさまざまにあります。代表的なものを3つ紹介しましょう。
まずは、間取りの悪さです。設計上でいくらよさそうに見えても、実際に生活してみると、思いもよらない不具合を感じる場合があります。
たとえば、洗濯機から干す場所まで遠かったり、風呂に入っているときに洗面所が使えなかったり、玄関にゆとりがなく、朝の出勤、通学に混雑したり、日々の小さなイライラは、のちの大きなストレスにもなりかねません。
似たようなケースでは、非効率的な動線も候補に挙がります。
どちらも、快適な暮らしというマイホームの理想からかけ離れている点で同じです。収納に関しても、スペースが足りなかったり、使い勝手が悪かったりするのも厄介な問題でしょう。
想定していたモノの分量と収納スペースが釣り合っていないと、たちまちモノがあふれ返り、生活自体が窮屈なものになりがちです。さらに子供が成長したり、新しく家族が増えたりすれば、その分、身のまわりのモノも一気に増えます。
最後の3つ目は、プライバシーに関する失敗です。家づくりには、プライバシーを保つ工夫が欠かせません。
しかし、場合によってはこんなケースもあります。道路に面した家なのに外壁をつくらず、大きな窓を設置して屋内の様子がまる見えになったり、リビングでくつろいでいると、隣家のトイレの窓から住人の視線を感じたりなど。
リラックスして過ごせない家は、そもそも生活の基盤として不適切です。
設備の面でも失敗する方は多い
前項では、間取りを中心に失敗例を紹介しましたが、もちろん、設備面でのミスもあります。
その最たるものは、冷暖房効率の悪さです。冷暖房設備の充実は、年間を通じて快適な暮らしを維持するために、あまりにも重要な要素といえるでしょう。肝心なのは、夏は涼しく、冬は暖かく、効率的に室温を調整できることです。
しかし、断熱性や気密性が極端に低い家だと、冷暖房効率が悪くなります。結果として、割高な光熱費になり、家計を圧迫。とくに広々としたリビングや吹き抜け、スキップフロアのあるレイアウト、大きな窓は、冷暖房効率を低下させる要因となり、注意が必要です。
照明器具やコンセントの配置もまた、失敗しやすいジャンルにちがいありません。お気に入りのオシャレな照明が設置できなかったり、不便な位置にオンオフのスイッチがあったり、コンセントの数が十分でなかったり、これらの問題も生活上のストレスにつながります。
このほかにも家具を置いた影響で窓が使用できなかったり、家電が使いにくくなったり、設備面での違和感は、生活の不便さに直結するので、ぜひとも遠ざけたいものです。
家づくりで失敗しないためのポイントは?
数々の失敗例を見てきて、みなさんはどう感じましたか?
裏を返せば、失敗を上手にかわせば、快適性や機能性をキープできることでもあります。ジャンルごとにしっかりとポイントを踏まえておきましょう。まずは、家づくりのベースとなる間取りについてです。ここで重要なのは、将来的なライフプランをイメージしておくことです。
子供の成長だけでなく、老後のバリアフリーのことも含め、長期的な視点に立ったうえでの検討が大切です。経済面でいえば、無理のない資金計画を立てることも外せません。家づくりはつい欲が出て、あれもこれもと願望を盛り込みがちです。
結果、予算オーバーし、月々の住宅ローン返済にも困るようになれば、何のための家なのか目的がわからなくなってしまいます。最悪の状況を避けるためにも、余裕をもった資金計画を立てるようにしましょう。
さらに、施工を依頼するハウスメーカーの選定も大きな鍵を握ります。前提にしたいのは、家づくりに対する要望を最大限に実現してくれるかどうかです。
選ぶ際には、ハウスメーカーの得意分野とのマッチングも必要になります。複数の会社を比較したうえで、最も相性のいいところを選んでください。
まとめ
当たり前のことですが、ほかのジャンルと違って、家は使い捨てできるようなインスタントなものではありません。いったん建ててしまえば、長きに渡って住むことになります。生活のベースとなるものですから、快適で、なおかつ、機能面での充実を重視したいところです。今回の記事では、家づくりでありがちな失敗例について解説しました。代表的な失敗には、間取りの悪さ、収納スペースの不足、プライバシーの欠如といったものがあります。どれも暮らしていくうえで障害や違和感となるものばかりです。逆にいえば、失敗例から学んで、成功につなげることが大切です。本稿で提示した情報がその一助になればうれしい限りです。