新しく家を建てる際先立ってしなければならないのが「土地探し」です。
土地探しはよい家づくりの基盤であり、金額的にも大きな決断であることから頭を悩ませる方も多いでしょう。
この記事ではそんな方向けに土地探しのコツを、新潟ならではの視点も交えつつ解説します。後悔しない土地探しにぜひ役立ててください。
目次
土地探しの基礎知識
土地探しのコツを説明する前に、これから土地探しを始める方にぜひ知っておいてもらいたい、土地探しの基本的な情報について説明します。
土地探しの事前準備
土地探しで最初に決めるべきことは、土地を探すエリアです。
土地を探すエリアというのはつまり、その後家を建てて居住するエリアであり、通勤や通学、生活するうえでの利便性を考慮して選ぶ必要があります。長く住むことになるため、今現在の暮らしだけでなく10年後、20年後の家族構成やライフスタイルも想像して考える視点も重要です。
次に予算を決めます。住宅の建築費や手数料、税金なども含めて全体的な資金計画を立てておきましょう。
また、土地に求める条件を整理しておくことも大切です。土地の広さは何坪か、最寄り駅からは徒歩何分かなど、具体的に決めましょう。ただ希望の条件すべてを満たす土地はなかなか見つからないため、優先順位を決めておくとよいでしょう。
事前に判断する軸を決めることで、候補の土地が出てきたときの判断がスムーズになります。
法律で決まっている制約がある
「用途地域」とは、「都市計画法」に基づく地域区分で、13種類に分かれています。この区分により、地域ごとに建物の種類や条件が決められています。例えば、工業専用地域には住宅を建てることはできません。
用途地域によっては、「建ぺい率」や「容積率」といった建物の面積や高さに関する制約があります。そのため、土地を購入する際には、その土地がどの用途地域に属するかを確認することが重要です。たとえば、3階建ての家を建てようとしても、用途地域による高さ制限で建築できない可能性があります。
「建ぺい率」とは、土地の広さに対する建物の面積の割合を示す基準で「容積率」とは、土地の広さに対する建物の立体的な割合を示す基準です。これらの用語はよく使われるので覚えておきましょう。
用途地域や建ぺい率についての情報は、インターネットで公開している自治体も多いですが、公開されていない場合は市町村役場の都市計画課に問い合わせて確認することができます。
土地探しのコツや注意点
土地探しの基本が理解できたところで、次に土地探しをする際の注意点や役立つコツ、土地探しを少し楽にする考え方をご紹介します。
地盤について確認する
購入を検討している土地の現在の状況や、過去の利用状況を確認することは非常に重要です。
たとえば、新潟県には田んぼや沼地を埋め立てて造成された住宅地があります。近くに川があったり、浸水のリスクがあったりする場合は、各市町村役場で過去の浸水履歴を調べておくとよいでしょう。
また、以前工場などの施設があった土地の場合は、土壌汚染調査が行われているかどうかを不動産会社に確認することをおすすめします。
地盤改良費用はあらかじめ予算に組み込んでおく
予算を組む際には、地盤改良費をあらかじめ予算に組み込んでおくと安心です。
地盤改良が必要になった場合は、別途工事費用が必要になります。ただ地盤改良工事が必要かどうかは、基本的に購入後調査会社に依頼して調査結果が出るまでは分かりません。
建物の重量や工法によっても変わり、隣の土地では必要なくても自分が購入した土地では必要なことも充分にあり得ます。
購入前に自費で調査会社に依頼する場合には売主の許可が必要です。そのため、土地探し初期の段階での資金計画においては、あらかじめ地盤改良費を組み込んでおくのが無難です。
安い土地には理由がある
土地購入は大きな投資ですから、安い土地を見つけるとつい心が動いてしまうかもしれません。しかし、安い土地には何らかの理由があることがほとんどで、安さだけに惹かれて購入するのはリスクがあります。購入後に追加工事が必要となり、結果的に費用がかさむことも考えられます。
たとえば、土地の形状が影響します。正方形や長方形の整形地に比べて、三角形などの不整形地は一般的に価格が安くなります。しかし、不整形地は家を建てる際に設計や工事が難しくなり、結果として追加費用がかかることがあります。また、非整形地の資産価値は将来的に低くなる可能性があります。
さらに、非整形地は接道状況が悪いことが多く、駐車のしやすさなどの面で不便が生じることがあります。新潟のような車社会では、充分な間口が確保できない場合もあります。
また、相場から極端に安い土地には、給排水設備が整っていない場合もあります。元々駐車場だった場所などでは、地盤には問題がなくても生活に必要な給排水管がないこともあります。給排水工事には100万円以上の費用がかかることもあり、予期しない出費となることがあります。
プロの力を借りるのも手
土地探しにはいくつかの方法があります。
もっとも手軽なのは、不動産情報サイトや不動産会社のWebサイトでの検索です。空いた時間に土地探しを進められ、希望の条件を登録しておくと、通知が届くサービスもあります。この方法で、多くの情報に効率的にアクセスできます。
ただし、インターネット上の情報は必ずしも最新とは限らず、すでに売約済みの情報が掲載されていることもあります。また、条件のよい土地は建築業者や不動産業者間で取引されることが多く、サイトに掲載されない場合もあります。
希望の地域を実際に自分の足で歩いて売地を探す方法もあります。これにより、インターネットでは得られない情報や周辺環境を把握できるというメリットがあります。しかし、時間や労力をかけても希望の土地が見つかるかどうかは運次第で、簡単に試せる方法ではありません。
そこでおすすめなのが、プロに依頼する方法です。豊富な土地情報を取り扱う不動産会社や、土地探しから相談に応じてくれる工務店・ハウスメーカーに頼るのもよい選択です。
エリアに詳しい不動産会社に依頼すれば、地域の雰囲気や最新の情報を得られるでしょう。また、家づくりを見越して工務店やハウスメーカーに依頼する場合は、希望の間取りやプランに合った土地を提案してもらえ、土地探しと家の計画を並行して進めることができるため、効率的です。
焦らずじっくり探すのが吉
土地探しはタイミングの要素が大きく、プロでも難しいことがあります。
一般的に土地探しにかかる平均期間は4か月から1年程度といわれていますが、1年以上かけてじっくり探す人もいます。
急いで家を建てなければならない事情がない場合は、住宅会社や不動産会社に希望の条件を伝え、適切な土地が見つかるのを待つのもひとつの方法です。希望の土地がなかなか見つからない場合は、焦らずに待つことも選択肢として考えてみるとよいでしょう。
まとめ
家を建てるための土地を選ぶ際には、周辺環境や日当たりなどの基本的な情報に加え、地盤の状況や建ぺい率、容積率などの専門的な視点も重要です。これらの要素は、土地の選定や建物の設計に大きく影響します。
土地探しを進める際には、工務店やハウスメーカーに相談するのが有効です。専門家の視点から、住宅を建てることを考慮した土地選びのアドバイスを受けることができます。自分で土地を探し、候補がある程度絞られた段階でも、専門家の意見を取り入れることで、より適切な土地選びができるでしょう。
専門家の助言を受けることで、土地の選定だけでなく、その後の家づくりに関する視点も加わり、満足のいく土地選びが実現しやすくなります。
